| タルコフスキー |
| '硬直と力は死と隣り合っている。弾力と軟弱さとは若さの象徴だ。凝結したものに希望はない' '人類が存在するのは創造するために、芸術作品を' 正に彼らの会話は、現代人の精神の危機であり、タルコフスキーの苦悩でもある。その緊迫した濃密な空間にからんでくる、刻々と移り変わる'水'、'風'、'鳥の声'、'草・木'などの自然、特に'水'の豊穣極まりないイメージのつづれ織りには舌を巻くものがある。(水といっても湿地であったり、湖水だったり、泥水であったりする。) ストーカーの絶望と深い孤独が一気にマグマするラストは非常に素晴らしい。絶望した人間だけに、善悪に関係なく不幸なものだけを通すゾーン。その究極の目的地'望みのかなう部屋'の中では、自分の本性、無意識がさらけ出されるのだということに恐れをなす凝結したインテリと痛めつけられ、苦悩するストーカーのやりとりは、ストーカーの深い絶望と孤独、そして不幸を嫌というほど浮き上がらせる。'どこだって牢獄だ'と。 '部屋'の前で座り込む3人に、突如降り出す滝のような雨。三位一体を思わせるキリスト教的なイメージで、洗礼を受けているかのような静的な空間はじわりとした感動を与えるシーンである。 肉挽き機と呼ばれる暗いトンネルを魂の救済を求めて歩いていく後ろ背に不幸な人間の魂の叫びを見るような気がする。 最後に音楽を担当したエドゥアルド・アルテミエフについて述べておきたい。彼は'惑星ソラリス'、'鏡'、'ストーカー'と中期三部作を担当した音楽家である。彼はモスクワ・オリンピックの音楽も担当しており、プログレの作品も数多く製作している、旧ソ連では絶大な人気と地位をもっている音楽家である。(日本でもサントラがWAVEから出ている。最近では'ウルガ'も彼だった。) |
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